— お昼の喫茶店、やさしさにほどける午後 —
ひと段落ついた、というには少し早かったかもしれない。
でももう、頭の中はぐちゃぐちゃだったし、
タスクばかりが並ぶ画面を閉じたとき、
わたしは自分のための「余白」を探していたのだと思う。
ビルの角を曲がってすぐ、小さな喫茶店に入る。
ドアの鈴の音が、思っていたよりもやわらかくて、
少しだけ泣きそうになった。
カップに注がれるコーヒーの音、
誰かの読んでいるページがめくられる音。
日常にひそむ静けさが、ここにはちゃんとあった。
「ホットでよろしいですか?」
うなずくだけで伝わる、この空気感もいい。
はじめの一口は、すこし苦かった。
でも、その苦さにすら「安心する」という感情があることを、
わたしはすっかり忘れていた気がする。
SNSもメールも開かない。
ただ、ぬるい午後の日差しに目を細めて、
ぼんやりと窓の外を眺める。
誰にも急かされない時間って、
こんなにやさしくて、
こんなに必要だったんだな。
— もう少しだけ、ここにいよう。わたしがわたしに戻れるまで。
そして午後は、ちょっとだけ前を向いて。
焦らなくていい。わたしのペースで、また進んでいこう。
やさしい夜に、そっと寄り添うブログも書いています。
一部18禁コンテンツも含まれておりますのでご覧の場合はお気をつけてご覧ください。
▶︎ ブログ「秘密の処方箋」をのぞいてみる




コメント